もくじ
幸せのピーマン
NTKN

タカシ君はピーマンが大嫌い
お母さんはいつも心配しています。
「ピーマン食べないと大きくなれないわよ!!」
「いいよ、大きくなれなくったって!!」

タカシ君はピーマンさえなければと考えます。
「そうだ!農家のおじさんにピーマンを作らないようにお願いしよう。」

「農家のおじさん、ピーマン作らないでよ。」
「ピーマン作るのが仕事だし、みんな美味しいって言ってくれるよ。」
「美味しくない!!」
タカシ君は八百屋のおじさんに売らないようにお願いすることにします。

「八百屋のおじさん、ピーマン売らないでよ。」
「なんだボウズ、買ってくれるお客がいるから売るんだよ。」
「うぅ」
タカシ君はお客さんに食べないようにお願いすることにします。

「おばさん、ピーマン買わないでよ。」
「お姉さんよ、ピーマン美味しいじゃない。何言ってるの。」
「美味しくないもん!」
タカシ君は困ってしまいました。

「ピーマンなんて美味しくない、苦いだけだもん!!」
タカシ君はモーレツに怒っています。

そこへタカシ君の大好きなサッちゃんが通りがかりました。
「あっ!サッちゃん、ピーマン好き?」
「うん、大好き!!」

「ぼ、ぼ、僕も大好き!!」

「うぐぐぐぐっ!!」
こうしてタカシ君は好き嫌いをなくして
またひとつ大人になりました。
~おしまい~
メッセージ:なんとかなる。
アブリルとミハエルとデビル
FBK

アブリルはミハエルに別れ話を切り出しました。
「分かれましょう。ミハエルはいい人過ぎて物足りない。私、ワルが好きなの。」
「嫌だよ。別れたくないよ。なんでも言う事聞くから。」
アブリルは聞く耳をもちません。
・・・ミハエルはしぶしぶ別れを受け止めました。

アブリルは村一番のワルで知られるデビルに興味を持っていました。
「デビルみたいなワルが一番カッコイイ」と思っていました。

しかし、デビルの日常はウワサとは違い、マジメなものでした。
デビルの見た目だけで村の人はワルモノにしていたのです。

アブリルは言いました。
「デビル、全然悪いことしてないじゃない。カッコ悪いよ。」
デビルは答えました。
「悪い事しなきゃカッコ悪いのか?人に迷惑になることした方がカッコ悪いぞ。」

アブリルはガッカリしたと同時に、ミハエルと寄りを戻したいと
強く思いました。
「ごめんね、ミハエルー!」

アブリルは言いました。
「ミハエル、私が悪かったは、寄りを戻してよ。」
ミハエルは・・・
ゆっくり振り返りこう言いました。

「イヤだ、俺、ワルだから!」
~おしまい~
メッセージ:覆水盆に返らず
アブリルの決意
GKT

悲しみに打ちひしがれたアブリルは痩せようと決意した。

昔の関係に戻りたい!その一心でアブリルは
くる日もくる日もダイエットに明け暮れた。

どーするアブリル♪
~おしまい~
メッセージ:ご利用は計画的に
デビルとメーテルとメーテルの父
YUTS

デビルはメーテルを好きで好きでしょうがない。
が・・・自分の醜い姿を気にしてプロポーズ出来ないでいた。
一方メーテルもデビルが好きだった。
心の優しいデビルに心惹かれていた。

ある日、どうにも気持ちを抑えきれずに
デビルは、メーテルに打ち明けた。
「結婚しよう」
「はい」とメーテルは想いに応えました。

・・・喜びもつかの間
メーテルの父は結婚を反対した。
「娘は、ワルのデビルに騙されている」
「デビルは心の優しい人なの」
メーテルは涙ながらに訴えた。
・・・デビルはその一言で幸せだった。
二人は結婚の約束も叶わぬまま別れた。
・・・

それから間もなく
メーテルの父は病に倒れた。
メーテルの不安をよそに、徐々にやせ衰えていく。

「原因不明で治る見込みもない。」
「メーテルのお父さん長くないらしいわよ。」
町中その話題で持ち切り。
・・・デビルもメーテルの父の病気を耳にした。

それから数日後
メーテルの父の容体が急変、なんと、元気になったのだ。
お医者さんも驚きを隠せない。信じられないと誰もが言った。

嬉しくなったメーテルは別れたデビルに会いにいくと
横になったデビルと死者を蘇えらせるといった内容の本をみつけました。

・・・まさか
メーテルはデビルが父と引き換えになくなったとのだと悟りました。
「ごめんねデビル~」
その噂は町中を駆け巡った。

町の人たちが見守る中、葬儀はしめやかに行われた。
メーテルの父は悔やんで天に向かって叫んだ。
「デビル君のような男にこそ、メーテルと一緒になって欲しかった。」

バタン!!その時、死んだはずのデビルが行き返った。
・・・・・・・・・・・
奇跡が起きたんだと町の人たちは喜んだ!

こうして二人は結婚しました。
めでたしめでたし
・・・・・・・・・・・
「うまくいったわ」小さな声でメーテルが言った。
「なにか言った?」
「ううん、何でもない」
・・・・・・・・・・・

メーテルはデビルと結婚できる方法を考えていた。
実は、父の病気も、デビルの死もメーテルの考えた
計画だったのだ。
メッセージ:優しいウソはつきましょう
ヨシオの頭の中の消しゴム
YKTA

男の名はヨシオ。
ある日突然記憶がなくなった。
いわゆる、記憶喪失である。

ヨシオの病室に幼なじみと称する3人組が訪ねてきた。
左から、タイチ:料理人、ノブオ:プロ野球選手、サチコ:花屋のオーナー。
ヨシオは全く思い出せない。

ヨシオの職業は刑事(デカ)だったらしい。
何か事件に巻き込まれたのでは・・・。
不安が頭をよぎる。
ふと、ノブオが「昔埋めたタイムカプセルを掘ろう」と言った。
15年前、近所の桜の木の下に埋めたらしい。

「桜の木の下には死体が埋めてある」ことを
ヨシオは知っていた。
四人で力を合わせて掘り進めていく。
・・・ヨシオは何も思い出せない。

しばらく掘るとタイムカプセルが出てきた。
中からは4人の将来の夢を書いた手紙が出てきた。
タイチは料理人になりたい。
ノブオはプロ野球選手になりたい。
サチコはお花屋さんになりたい。
・・・不思議なことに3人とも夢が叶っていた。
ヨシオの夢は何だったのか?
3人が見つめる中、ヨシオは手紙を開いた。
・・・

・・・
僕の将来の夢は記憶そうしつになることです。
・・・

それは願いの叶う不思議なタイムカプセルだったのです。
メッセージ:夢は叶う・・・時もある