鉄について
・私たちの身の回りは、金属であふれてます。

パソコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、家、ビル、車、電車、船、橋・・・
生活に欠かせない「金属」の90%以上には、「鉄」が用いられています。
「鉄」が使われてる理由として、埋蔵量が多いことがあげられます。
・日本の鉄鋼生産は年間1億tあります。
なんと多いことか・・・
1t=1000kg、それが1億個・・・
・鉄はリサイクル率がとてもいいので、3割はリサイクルされてます。

鉄の性質
・「鉄」はそのままの状態だと使えないので他の成分を加える必要があります。
他の成分が加わった鉄のことを「鉄鋼材料」(てっこうざいりょう)と呼びます。
鉄にもっとも影響を与えるのが炭素(C)で、硬く強くなります。
硬くなるごとに呼び名が変わります。
※ここからは、それぞれの特徴を擬人化してみます。
『鉄男』が憧れの炭素ちゃん(C)キュートに関わって硬くなる絵図
★0-0.02%・・・(純鉄)じゅんてつ
道端ですれ違う 鉄男と炭素ちゃん

★0.02-0.3%・・・(軟鋼)なんこう
「ハンカチ落としましたよ」目が合う鉄男と炭素ちゃん

★0.3-2.1%・・・(硬鋼)こうこう
「えっ、同じ出身地ですね」と話をする鉄男と炭素ちゃん

★2.1-6.7%・・・(鋳鉄)ちゅうてつ
「ライン交換しましょうよ」と次のステップを狙う鉄男と炭素ちゃん

炭素ちゃんとの関係

①強さと硬さ
炭素ちゃんと関わる量が増えるほど鉄男は強く、硬くなります。
(純鉄<軟鋼<硬鋼<鋳鉄)
②加工性
炭素ちゃんが増えるほど硬くなるので加工しにくくなります。
③焼入れ効果
※焼入れとは、加熱や冷却によって形を変えずに材料の性質を変化させること
炭素ちゃんが少ないと焼きは入りません。
炭素ちゃんが増えると焼き入れ効果がでます。
0.3-0.6%がベスト!! (硬鋼のある範囲)
2.1%以上は焼入れ効果はないとされる。
④溶接性
※溶接とは熱で溶かして、つなぎ合わせること
0.3%以下は溶接が容易です。
0.3%を超えると溶接の熱で焼きが入り、焼き割れなど欠陥がおきるので溶接できないです。
⑤溶解温度
炭素ちゃんが増えるほど鉄男はメロメロになるので溶ける温度は下がります。
鋳鉄:1,200度
炭素鋼=鉄+5大元素
・鉄男に影響を与えるものに5大元素があります。
鉄+5大元素を炭素鋼(たんそこう)と呼びます。
それぞれの役割を見てみましょう。

①炭素ちゃん(C)・・・キュートな女性
鉄男にもっとも影響を与える、鉄男を強く硬くする

②シリコン先輩(Si)・・・お尻が魅力、年上でグイグイひっぱる
日々鉄男を鍛え、鉄男の引っ張り強さを増す

③マンガン女王(Mn)・・・茨城県訛りのSM女王、焼を入れる
ビシバシ鉄男を鍛え、鉄男の粘り強さを増す、焼き入れしやすくする。

④リンさん(P)・・・冷たい、突き放すタイプ
鉄男にとってニガテな存在1:寒くされると鉄男がモロクなる。(0度以下)
本来、いない方がいいが、どうしても付いてきちゃう。

⑤硫黄さん(S)・・・熱い、めんどくさいタイプ
鉄男にとってニガテな存在2:熱くされると鉄男がモロクなる。(900度以上)
本来、いない方がいいが、どうしても付いてきちゃう。

本来、いない方がいいリンさん、硫黄さんですが、どうしても付いてきちゃう。
そのためできるだけ関わりを少なくする事で 鉄男の品質が維持できます。(0.03%以下)
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